このページは教育キネシオロジーとブレインジムの新しい動きをお 伝えするものです。
□『EDU-K UPDATE』5月号の全訳
  ・「ブレインジム」のニュース&イベント
  ・今月のスポット
  ・Ask Dave コーナー
  ・EDU-Kの秘訣
  ・ブレインジム物語

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 EDU-K UPDATE 2010年5月号
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◇ブレインジムインターナショナル製作の歴史
今年私たちの理事会は、「ブレインジムインターナショナル第一回戦略計画」の採択により、歴史を作りました。アップデイト1月号に議長のボニー・ハーシーが記していたように、1月に役員たちはカリフォルニア州ベンチュラで1週間の会議を開きました。戦略計画のコンサルタント、ダグ・グリーンとデナ・ジェンスンが補助のため雇われました。二人は会議に先立ち、調査やインタビューを含む一連のデータ収集活動を行いました。みな討論や最終的な方針プランを方向づけるのに使われました。

理事会は、任務一覧の改訂(ホームページをご覧ください)に加えて、組織が直面している重大な四つのことを確認しました。これは今後3年間の組織の仕事にとっての戦略的優先事項のベースとなりました。それは次のとおりです。

・役員会の指導力と発展
ブレインジムインターナショナル財団の理事会は、包括的でグローバルな戦略的展望を提供し、政策を設定し、リソースの開発をサポートし、信用管理をする、多様で効率的な運営委員会として機能します。

・リソースの開発
持続できるリソースの展開と多様化(人、時間、収入の最適利用)は、ブレインジム全領域での努力を維持し、支えます。私たちが寄贈者やボランティアと仕事で関係することにより、彼らはいっそう深く関わっているように感じるようになります。

・コミュニケーション
組織は、強健で信頼できる外部コミュニケーションと、組織の目標と戦略を助成する流通機構をサポートします。

・プログラム作り
ブレインジムの旗印の下で運用されるプログラムは、一貫したプログラムの一つあるいはブランドとして認識されます。

私は、この歴史的な達成を、個人的にとても嬉しく思います。使命感に導かれたこの方針計画は、組織にとっての道路地図です。それは任務に優先順位をつけ、私たちが行きたいと言っているところへ向かっているかどうか知らせてくれます。今年、私たちは小さな一歩を踏み出しましたが、それは来る未来に向けて、歩幅を広げてしまいには楽しく流れるようなペースでジョギングする第一歩なのです。

祝福と感謝の意を込めて

事務局長  ケェリー・コーディ


◇「ブレインジム」のニュース&イベント
ブレインジム年次会議
  アメリカ合衆国マサチューセッツ州アッシュランド
  2010年7月22日〜25日
  「年齢を超えたブレインジム」
  ワレンカンフェランスセンターインにて
6月15日までに登録すれば締切後登録料を払わずに済みます。
会議開催地はこの日以降、全室一般に解放されます。

「ブレインジムイン・アクション」10周年
  2010年8月1日〜9日
  カナダ オンタリオ州オタワ
  連絡先:maureen@braingyminaction.com

IKC国際会議
  ハンガリー ケチケメート
  連絡先:Zsuzsanna Koves


◇今月のスポット/「2010年会議後のコース」
EDU-Kアップデイト3月号で述べたように、この春と夏は「会議後のコース」にスポットライトを当てます。先回は「ダブル・ドゥードゥル・プレイ」と「動きの再教育」についてお話しました。今回は「マスター・アット・ワーク(Master at Work)」と「ムーブメント・ダイナミックス」に移りましょう。

「マスター・アット・ワーク(Master at Work)」
2010年7月26日月曜日、会議後の一日コース「マスター・アット・ワーク(Master at Work) レベル1」をポール・デニソン氏が講義する予定です。出欠の回答はブレインジムプログラムの作成者から直接もらってください。教育キネシオロジー財団の創始者、ポール・E・デニソン博士と共に一日を過ごす滅多にない機会をお見逃しなく。EDU-Kのプロセスについて、新しく自由な流れの知識とその適用を考慮に入れた、このまたとない環境作りに役立つような、具体的な目標と質問を持って来てください。ブレインジム101を受講していることが望ましいです。

レベル2の参加者はこう言っています。「マスターズ・コースは、創始者が自分自身でワークするのを見る極めて貴重な機会をくれます。」

「ムーブメント・ダイナミックス」
2010年7月26日月曜日、会議後の一日コース「ムーブメント・ダイナミックス」をスー・ステピックが講義する予定です。今すぐ登録しましょう!EDU-Kアップデイトで2009年4月に再掲されたように、スーはこう言います。「楽しいいろいろなクロス・クロール、統合音楽に合わせた優しい流れのダンスを通して、また改良された非言語コミュニケーションや創造性の拡大、個人の空間の尊重といったゴールを目指すアクション・バランスを通して、動きの三つの次元(ラテラリティ、センタリング、フォーカス)の独特な力学を体験してください。」このコースでは、重力の姿勢や中心の活性化、動きの区切りを容易にする動きのパターンを探るよう求められます。参加者はブレインジム、ヴィジョンジム、インテグレイテッド・ムーブメントの楽しく実用的な新しい適用法を学びます。ブレインジム101の受講が必要です。

参加者たちはこう言っています。「感じたりリズミカルな意味でのブレインジムの重要性がわかりました。」(CHさん)「ムーブメント・ダイナミックスはバランスの全く新しい感覚と形をくれます。」(KRさん)



◇会議のハイライト   シンディ・ゴールデイド
7月22日〜25日の年次会議がどんどん近づいています。全ての人にとって何かがあります。

全体テーマの「どんな年齢でも楽しく動く」は、人生全体に照準を定めた基本目標、ワークショップ、ネットワーク、リラックスする活動でいっぱいの4日間を示しています。次のような分野の専門家がみえる予定です:教育(幼児初期から大学まで)、職業上・身体上セラピー、音楽、老年医学、視覚・聴覚専門家等々。会場は北米東海岸の美しいニュー・イングランドにあります。

50ドルで1講座に出席するか、165ドル(開催地で105ドル、ブレインジムインターナショナルに60ドル)で終日出席するか選べます。できたら全会議に来て、暖かいベッドやシェフが用意する一日三食の食事、施設の利用のために会場に泊まるのがいいでしょう。

どの日にも「特集」があります。

木曜日は「ブレインジムのプログラムの紹介」で、一人目のファカルティに指名されたコリーン・ガードナーによる2時間のブレインジム入門で始まります。カリフォルニアから来るブレインジムの共同創始者、ポール・デニソンは、木曜午後に基調講演を行います。神経生物学者、カーラ・ハナフォードたちが午後のワークショップの顔ぶれです。

金曜日には「聞くことと見ること」に焦点を当てて、目と耳と、最善の生活の関係について、徹底的に調べる予定です。カナダのトロントから来るポール・マドーレは、「音と動きの統合における聴き取りと声」について探る、金曜朝の基調講演の講演者です。メインの講演者、ジョン・アボンダンザは、午後のセッションで、検眼士の見解を述べるでしょう。

「動きの原理(セオリー・イン・アクション)」は、土曜日の重要なポイントです。チャールズ・クレッブスの基調講演では、土曜朝に「脳の理解では何が新しいか」を伝えます。午後の活発なワークショップのあと、年次会議パーティで夜は最高潮に達するでしょう。宿泊しない人は追加の参加費で参加できます。

日曜日には「大集結」となるでしょう。メインの講演者ランディ・マクチェスニーは、財団の共同設立者、ゲイル・デニソン含めた素晴らしいプレゼンターを揃えて、補足プログラム「音楽を通して教育すること」を行います。

7月26日〜29日には、4日間の会議後講座もあります。今年のラインナップには、インターナショナル・ファカルティのケイ・マックキャロル(英国)とジャネット・プリモースト(イスラエル)が教える「動きの再教育」と「プレイフル・チャイルド(Playful Child)」と並んで、共に共同設立者であるポールとゲイル・デニソン夫妻が講師を務める「マスター・アット・ワーク レベル1」と「ダブル・ドゥードゥル・プレイ」があります。「今月のスポット」にあるように、財団認定インストラクター、スー・ステピックが「ムーブメント・ダイナミックス」を行います。各インストラクターのフライトを保証できるように、これらの講座の登録は1週間内に終わります。

会議組織チームは、顔と名前を一致させるのを楽しみにしています。7月にお会いしましょう!



◇ Ask Dave コーナー
ホームページの掲示板に寄せられた質問にデイブが答える「Ask Dave」コーナーです。

質問:こんにちは。特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)と診断されて、筋緊張低下で、感覚障害の6歳の息子がいます。言語・作業療法と社会的な技術のサポートのお蔭で、今は普通の幼稚園に通っています。友人がブレインジムの話をしてくれて、身体的側面についてちょっと気になるとはいえ、とても興味深く聞きました。どれくらいハードなんでしょうか?伝統的ではない療法にはずっと向かわずに来たので、少々用心深くなっています。ブレインジムはこのようなタイプの子供に合うでしょうか?子どもを見ずに言うのは難しいことはわかります。似たような体験談やどんな情報でも結構です。

デイブの回答:ブレインジムのエクササイズはハードではありません。それは、歩く動作が基本のクロス・クロールや、8を横にした形に手を動かして目でそれを追うレイジー・エイトのような、自分で身体を動かす動きです。そしてまた、足と手を動かしている間、座ったままや横になったままでもできます。私は筋緊張低下があるけどいくつか積極的な変化が認められる学生数人と共に活動しています。また他のブレインジムインストラクターは、科学的に制御された状況ではないけれど、PDDのある学生の積極的な変化を報告しています。

ブレインジムの動きは教育のみを目的としています。そして関連する学習スキルの感覚運動技能の開発・練習を助けるための準備を整わせる動きとして使われています。それは何か心理的あるいは医学的状態への治療を意味するものではないし、何かの状態を「治す」ことはありません。感覚の統合がうまくできないことによって生じる困難やストレスを軽減することで、その人が対処している状態が少し良くなるのを助けるものなのです。また私には、新しい方法や脳の領域、脳の中の処理回路を新しく学び、新しいやり方で今までのものをもう一度つなげたりして、技術を取得/再取得するのを助けるようにも思えます。どんなエクササイズでもそうですが、ブレインジムのエクササイズのプログラムを始める前に、あなたの医師に相談してみてください。


◇ EDU-Kの秘訣   デボラ・スコット・スタッドベイカー
教育キネシオロジーの言語 第三部:安定化のしくみ

先の号で私たちは、新しい「ブレインジム手引書」で述べられている「学びの身体的スキル」について探求を始めました。私たちは、三つの主な動きの能力(安定化、移動、操作:知覚運動の調整)と知覚入力の調整によって、幼児が「動きの地図」をどのように作成するかを発見しました。この号では、安定化と、それがサポートする動き、関連するブレインジムの動きについてもっとよく考察します。

安定化は、動きにとって疑いなく基本です。この中心となるところから上下の関係がもたらされ、ねじりや方向転換、伸び、引き、回転といった動作が始まる中央の軸があります。また、直立バランス(片足で立つような)はここに代表されます。しかし、安定性は必ずしもじっとしているであるということではありません。「安定性を保っているものは、力だけではありません… センタリングは、中心に関連する動きに如何にさまざまな要素があるかを体験するときに可能になる、動きの安定化を与えてくれます。」と、共著者ゲイル・デニソンは説明します。

「例えば、101コースのセンタリングの概念に、私たちはイルカのイメージ、「スイマー(The Swimmer)」を使います。イルカは海の表面に向かって泳いだり、深海へ深く潜ることもできます。縦の正中線の周りや正中線を通した動きによって得られる安定性を欠くことなくジャンプしたり跳んだりできます。イルカの背びれは背中の真ん中にありますが、安定性をもたらす船の竜骨の役割をしています。」(デニソン、私信より)

人間は、筋肉や腱、骨、器官と脳や神経、脊椎を結ぶ体内の精巧な通信システムを通して、安定化を捜し求めています。(同書より)調節がうまくいかないとき私たちは、微妙な身体的調整で環境に応じます。不安定性は私たちにバランスを得るよう駆り立てます!

EDU-Kの学生と教師として、正中線の安定化から起こる動作の(そして感情の)可能性に注意しましょう。「エナジー・エクササイズ」は、構成や組織の技術を作り上げるよう身体を調整し、基礎力と幸福感がよみがえるのを助けます。(「ブレインジム手引書」6章)「ディープニング・アティテュード」では、分かち合いや遊び、協力の社会的あるいは認知的側面により深く取り組みます。「身体的に自分を安定させる能力は、感情を感じまたは表現し、衝動をコントロールし、理性を失った恐怖を解放する能力と互いに関連しています。」(同書より)

安定性は動きを活発にし、動きは安定性を求めます。生活における安定化を見てみると、順序、調和、思考それに行動の関連性の枠組みが見つかります。

*竜骨は、バランスを取って安定させているものから突き出ている硬くて出っ張っている形のものです。
ポール&ゲイル・デニソン「ブレインジム手引書」
カリフォルニア州ベンチューラ、2010年「遊びの気持ち」
ゲイル・デニソン、2010年5月18日の私信より
メイベル・E・トッド「考えるボディ」
ニューヨーク州ブルックリン、ダンスの地平線、1972年


◇ 今月のボランティア:キャシー・モナハン&パム・フォルモサ
私たちの組織では、ボランティアはなくてはならない役割を持っています。理事会と各委員会はボランティアのみなさんで構成されています。もちろん、私たちの多くは自分たちのコミュニティで定期的にボランティアで働くことによってブレインジムの振興に努めています。

今号では、二人の花形ボランティアを広く知っていただく時間を少し取りたいと思いました。昨年、パム・フォルモサとキャシー・モナハンは、一歩踏み込んで、2010年年次会議の共同議長を務めることに意見が一致しました。会議の準備には計り知れないほどの時間とエネルギーがかかります。適切な開催地について研究したり、電子会議ミーティングに出席したり、講義者や出席者と連絡を取ったり、新しい技能を作るセットを作ったり等々に、二人は数えきれないほどの時間を注ぎました。二人の信じられない学習カーブを描く頑張りは、最大の感謝と謝意に値します。

マサチューセッツ州ボストン郊外のワレン・コンファレンス・センター・アンド・インでの会議を楽しむ数週間のうちに、任務は完了するでしょう。会議の共同議長のパムとキャシー、あるいは他のボランティアたちを見かけたら、激務をねぎらってあげてください。


◇「ブレインジムGOをゲットしよう!」
数週間前、私たちの新しい出版物「ブレインジムグローバル・オブザーバー」の第一刷が世に出ました。ご家族やお友達に年間購読料25ドルで入手できると教えてあげましょう。


◇ブレインジム物語
財団認定インストラクターのエイミー・ウンガーはこう伝えています。

3月にベブ・ハンターの「学びと重力」のコースを取ってから、私(と私の母)を冬中苦しめたバランスの問題は消え去りました。

ワークショップをとってから、私は86歳の年老いた母をバランス・ボードに乗せています。私は母とティーンエイジャーの息子と自分に、ボードを買いました。私たちはみな、とても気に入っています。母はこの5年間、やる気がなかったし、長い距離を歩きませんでした。週に3〜4回ボードに乗るようになって6週間後に突然、母にしてはかなり長いブロックの角まで歩くことに同意しました。母はまさに滑るように進んでいました!帰りには、ビルの後ろの公園を歩いて抜けようと提案しました。これは上り下りの坂で草の塊がゴロゴロしている約25フィートの歩道があるものでした。母は自分でバランスを取りながらペースと歩幅を守って、素晴らしい仕事をしました。

5月下旬の今、母は何の支えや補助もなくバランス・ボードに立てます。2分間目を閉じたままでもできます。重力としっかりした関係が持てるのだと、みんなに話しています。84歳の妹に母が自慢しているとき、歩いているときは自分を飛行機のように感じる、また、目を閉じてボードに乗れる、と言っているのを私は耳にしました!母のこの技能の回復に、私はとても興奮しています。

加えて、母は何年もの間、平らにならない2本の足の親指に苦しめられてきました。今、母のつま先は、ボードの上でも乗っていないときでも、平らになります。歩くとき、足全体と床面全体を感じると母は述べています。

そのこともみな、母はとても気に入っています!肌の色合いと柔軟性が良くなって、今の足の循環は素晴らしいです。血圧は170から120へ下がり、降圧剤をやめることができました。母の自信は強くなりました。新しいエネルギーのお蔭で母は会話の起爆剤になっています。

コースについて書き、伝え、ワークショップを主催して個人的な知識を分け与えてくれるコースを作ってくださる方々には、深く感謝しています。私自身も、ベブの熱心な教えと同じくらい、彼女の個人的な物語に元気づけられました。「バランスと重力」コースは、私に必要だったのに瞑想では満たされなった、バランスとエンジン・スタートを与えてくれました。落ちるのではないかと用心深く恐れ、その結果腰の引けた姿勢になることなく、泳いだり庭いじりができるのは素晴らしいことです。

「灯りをつけて」安定への道を示してくれてありがとう。


◇特別に感謝
彼女なしではEDU-KUPDATEの発行は非常に遅れただろうシンディ・ゴールデイドに、特に感謝します。今回、自分の分担よりも多くを引き受けてくれて、ありがとう、シンディ。


※記事の全容を英文でお読みになりたい方は下記へアクセスして下さい。
http://braingym.org/brochures/newsletter/May_2010.html
以 上


◆バックナンバー
  EDU-K UPDATE 2010年3月号
  EDU-K UPDATE 2010年1月号
  EDU-K UPDATE 2009年11月号
  EDU-K UPDATE 2009年9月号
  EDU-K UPDATE 2009年7月号
  EDU-K UPDATE 2009年4・5月号
  EDU-K UPDATE 2009年2・3月号
  EDU-K UPDATE 2009年1月号
  EDU-K UPDATE 2008年12月号
  創設者ポール・デニソン博士のインタビュー記事
  EDU-K UPDATE 2008年11月号
  教育キネシオロジーの創始者ポール・デニソン博士のメッセージ
  EDU-K UPDATE 2008年8月号