このページは教育キネシオロジーとブレインジムの新しい動きをお伝えするものです。
□『EDU-K UPDATE』7月号の全訳
  ・「ブレインジム」のニュース&イベント
  ・2010年の受賞者
  ・Ask Dave コーナー
  ・EDU-Kの秘訣
  ・ブレインジム物語

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 EDU-K UPDATE 2010年7月号
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◇ご挨拶
「本当のところ、今日は何が聞きたい?」というのが、木曜朝の朝食のテーブルでのポール・デニソンの質問でした。アッシュランドでの2010年ブレインジム国際会議はまだ公式には始まっていませんでしたが、「引き出し」の過程に入っているのです。

数えきれない人々との偶然の出会いによって、私たちはとても多くの異なった方法で互いに繋がることができます。樹は今年の会議のロゴです。私から見ると2010年会議での経験のまとめのようです。すべての年齢で動き、成長を求めながら、交流のために私たちは世界中からやって来ました。私たちは殺気立ったような日常のペースを休止して立ち止り、この瞬間を一緒にじっくり味わいました、(ええ、ウォレンセンターのおいしい食べ物は、確かにその助けになりました。)

会議の始めのバランスでは、私たちは息が止まりそうでした。コリーン・ガードナーとカーラ・ハナフォード、マリリン・ルガロ・バウチャードが私たちが作る円の中に立っていました。私たちの心は彼らが達成してきたことへの感謝の気持ちでいっぱいだったのです。私たちは新しい成長の方法を探し求めました。

4日を通した学習の機会は、ひとつひとつ言及できないくらい多いものでした。私にとってのハイライトのひとつは、知恵と知識と情報がいっぱいの170ページの会議マニュアルでした。そしてもうひとつは、重要な貢献をしたみなさま方でした(この通信のリストをご参照ください)。

早すぎますが、終わりのバランスに行きます。世界の片隅でそれぞれに風船細工を作っている私たちが、突然集まって風船細工をお互いに繋げ始めて、他にないひとつのブレインジムツリーを作りました。創始者ゲイルとポール・デニソンは事務局のケェリー・コーディとシンディ・ゴールデイドと共に真ん中に立ち、つかんでいる風船を魔法のように放します。感動のうちに私たちは、自分たちも皆、いろいろな美しいパターンで枝や蔓や葉を茂らせ、世界にタッチできるよう互いに繋がって一体となったブレインジムツリーの一部であることを悟ったのです。

出席されたすべての方々に感謝して
リサ・マルコビッチ(カナダ/モントリオール)


◇「ブレインジム」のニュース&イベント
「ブレインジムイン・アクション」10周年
  2010年8月1日〜9日
  カナダ オンタリオ州オタワ
  連絡先:maureen@braingyminaction.com

IKC国際会議
  ハンガリー ケチケメート
  連絡先:Zsuzsanna Koves


◇2010年の受賞者
今年の受賞者のみなさん、おめでとうございます。
「優れた貢献」の部:
◎ EDU-K南アフリカ
◎ ニキ・オノーレ(英国)
◎ スーザン・ウェイド(ロバーツ)(英国)

「優れた業績」の部:
◎ ベス・ストッダード(アメリカ合衆国)
◎ ノーマ・ムノス(エクアドル)


◇景気後退期及び回復低迷期における売上の増加   ジェリー・テプリッツ
憂鬱な財政状況であるにもかかわらず、ヴァージニア州ヴァージニア・ビーチのA-アクティブ白アリ・害虫駆除会社は、昨年の利益が2倍になりました。同じ年、販売員のひとりは、会社の最上級製品の売上を300パーセント以上伸ばし、会社は二つの製品ラインで国内トップのディストリビューターと認められました。

これらの驚くべき売上高はどのように起こったのでしょうか?A-アクティブ社の社長、ケビン・コルデックは、この売上の巨大の増加は販売部隊が出席したセミナーのお蔭だとしています。A-アクティブ社の販売部員たちは、ブレインジムのインストラクターであり、脳パフォーマンス最適化の専門家である法学博士、ジェリー・V.テプリッツの「スイッチ・オン・セリング(Switched-On Selling)」セミナーに出席したのでした。このセミナーが本になり、「スイッチ・オン・セリング(Switched-On Selling):売上を伸ばすには脳のバランスをとりなさい」という題で、テプリッツと共著者トニー・アレッサンドラ博士によって出版されたところです。本では、テプリッツのブレインジムの動きやエクササイズを使ったアプローチと、セールス・トレーナー、アレッサンドラ博士の革新的なセールス・テクニックを結びつけています。

全国害虫駆除協会理事長として、コルデックには産業内部の当事者としての意見があります。「多くの害虫駆除会社は赤字か、かろうじて収支トントンのどちらかです。我が社は景気後退期と景気回復期の両方で非常にうまくいっている数少ない会社です。」

2009年8月、コルデックはテプリッツが地元の企業家連合の集会で話すのを聞いて感銘を受け、販売部隊の半分を「スイッチ・オン・セリング(Switched-On Selling)」セミナーに送り込もうと決めました。その後まもなく、セミナーに送った8人のうち6人がトップ・セールス層にいるのにコルデックは驚きました。10月に次の「スイッチ・オン・セリング(Switched-On Selling)」セミナーが提供されたとき、コルデックは直ちに残りのセールス部隊を参加させました。

このセミナーならびに本と、他のセールス・トレーニングや販売関係の本との違いは、なくてはならない経験の一部としてテプリッツがブレインジムのプログラムで使っているプロセスです。数分間で販売員にセールスの過程における意識下の障害物を排除させるのは、ブレインジムの動きとエクササイズなのです。ブレインジムは、ポール・デニソン博士とゲイル・デニソンによって創られたのですが、当初は、学習障害をもった子どもたちが学校でよりうまく学ぶのを援助するために教育分野で使われました。

テプリッツは1986年にブレインジムに関わったとき、その概念をビジネスの分野に適用している者がいないのを知りました。彼は財団にセミナーを作る許可を申請し、「スイッチ・オン・セリング(Switched-On Selling)」セミナーは1989年に承認されました。その後テプリッツは、ほぼ900人の販売員と共に、そのセミナーコースが平凡なレベルの販売員から経験豊かな販売員までほとんど誰でもがセミナーの直後に売上を伸ばす助けになることを示す調査研究を行っています。

テプリッツはこう言います。「私の本、「スイッチ・オン・セリング(Switched-On Selling):売上を伸ばすには脳のバランスを取りなさい」は、アレッサンドラ博士のテクニックと私の研究を下敷きにしたアプローチを結びつけて、セールスマンとしてあなたの可能性を最大限に引き出せるようにしています。それは、章に書いてある情報を読んでからその章が終るまでに、そうするよう自分のスイッチを入れることができる、初めてのセールスの本です。このような不景気からの緩やかな回復期には、自分は実際にまだ大きな成功を達成できるのだとセールスマンが発見することは大きな力となります。」

ジェリー・テプリッツ
www.Teplitz.com
Jerry@Teplitz.com
757 496-8008



◇ Ask Dave コーナー
ホームページの掲示板に寄せられた質問にデイブが答える「Ask Dave」コーナーです。

質問:PACEって何ですか?ブレインジムの26のエクササイズの一部ですか?

デイブの回答:簡単に言えば、PACEとは、水を飲むのと、ブレイン・ボタンと、クロス・クロールと、フックアップという一連の動作です。私たちは、残りのプロセスの準備のため、これから行うあらゆるアクティビティの準備のために、すべてのブレインジムのバランス調整の最初のステップとしてPACEをしますし、どんなアクティビティにおいても、PACEに戻る必要があると感じたときにはいつもPACEをします。私が述べた後者二例のように、PACEのプロセスには、あなたが多くの教室で学んできたかもしれないブレインジムの他のエクササイズを含みます。

PACEはブレインジムの哲学の一部です。それは肯定的、活動的、明瞭、エネルギッシュさも表しています。私たちはブレインジム101や他のコースで、その人にとって最善のパフォーマンスのための最善の学びのペースにはいることについて話します。ブレインジムの26の基礎的なアクティビティは、巨大な氷山のほんの一角にすぎません。多くの人は基礎的なアクティビティのことを知っていたり聞いたことがあるでしょう。ブレインジム/教育キネシオロジーの仕事全体が如何に巨大かを理解している人はほとんどいません。動きと学び/成果などあらゆることとの関連について、更に多くのエクササイズやアクティビティ、プロセス、情報を提供しているクラスがたくさんあります。


◇ EDU-Kの秘訣   デボラ・スコット・スタッドベイカー
教育キネシオロジーの言語 第四部:移動の力学

三つの主な動きの能力の調査を続けてきて、移動に来ました。それは非常に単純ですが、一か所から別の場所へ動く力です。特定の物や人、状況からあるいはそれらへ向かって、足を使って歩き、走り、這い、飛び上がり、スキップし、ジャンプするときに、移動は私たちの意識に前と後ろの感覚をもたらします。移動は動物に自分を襲うものを避けさせ、幼児の自立を生み出し、大人や子どもに生命の活動にいつどのように参加するかを選ばせます。

しかし移動は、単に片方の足をもう一方の前に置くことではありません。体重が均等に配分されなければなりません。さもないと身体構造のアラインメント(センタリングと安定化)が損なわれてしまいます。「健康回復のエクササイズ(Restorative Exercise)」の創作者で生物力学の科学者、ケイティ・バウマンによると、アラインメントが著しく変わると、パフォーマンスも著しく変わります。そしてまた、ゲイルとポール・デニソンは「ブレインジム手引書」で、精神生物学者ロジャー・スペリーの言葉をこう引用しています。「脳からの指令の90%以上が重力場で身体を維持することへ向けられています。したがって、姿勢に費やすエネルギーが少ないほど、治癒や消化、思考へのより多くのエネルギーが使えます。」

言い換えると、ストレスに満ちた習慣は健康的な生活から私たちを遠ざけます。このことは移動に関してはどのように現れるでしょうか?ゲイル・デニソンはこう説明します。「バウマンの研究から得るのは、筋肉は正しく伸ばされているときに限り燃焼できるということです。もし収縮し過ぎている(緊張過度)かまたは弛緩し過ぎている(低緊張)と筋肉は本質的に弱く、したがって靭帯はバランスと体重の負荷に耐えることに余計に使われすぎて、関節を安定させる仕事が完全にできなくなります。立ったり歩いたりを楽にするにはふくらはぎの弛緩は特に重要です。ハムストリング筋とふくらはぎが硬いとは、それを補うために骨盤(しばしば背中の上部まで)が硬く縮んでいることを意味します。」

幸いにも、EDU-Kには、自然に筋緊張を回復できるように、6つの簡単なエクササイズがあります。レングスニング・アクティビティ(伸びの運動)は、移動に関する技術を助け、持続的に姿勢を変化していけるよう身体を再教育します。あらゆる領域の動きを行うことによって、注意を払う、選択をする、展望を持つといったことに必要な身体の構成要素をサポートします。それによって、アラインメントと健康を感じるように内的な気づきがもたらされ、あるいは他の人との作業に従事するのにフォーカスを外へ向けられます。

ゲイルは次のように付け加えます。「レングスニング・アクティビティ(伸びの運動)の効能は、立ってしても座ってしても、その後により効果的に動くのを助ける伸びて引締った筋肉への気づきを発展させることです。注意を向けることの矛盾は、観察者としてフォーカスを維持できる一方で私たちは、情報に積極的に関わって自分のものにしないうちは真に理解していないことです。つまり、活動のために(世界に参加するために)動きを実行しないうちは、学びを内面化してその意味を完全には受け取れないということです。」注3

最後に、移動は身体の構造とそれを維持するアラインメントに頼っています。それは本質的に、緊張から抜け出し何かに的を絞った自己表現の自由の中へと、安全に動く機会を私たちに与えてくれるものなのです。

注1:http://www.katysays.com/2010/07/06/mindyour- pelvis/
注2:ポール・E.デニソン、ゲイル・E.デニソン「ブレインジム手引書」(2010年)72ページ
注3:ゲイル・デニソンとの私信(2010年5月28日、6月28日、7月12日)より
注4:ポール・E.デニソン、ゲイル・E.デニソン「ブレインジム手引書」25ページ、73ページ


◇ブレインジム物語
財団認定インストラクターのキャシー・モナハンはこう伝えています。

「私はここ数週間、最近重い脳卒中の発作に襲われた79歳の老人と活動しています。家族は、彼は二度と自力で歩いたり食べたりできないだろう、また意味のあるコミュニケーションは二度とできないだろうと言われました。

言語療法士が手書き作業や話すメカニズムを教えている一方で、私はPACEやアルファベット8、デニソン左右再パターン化(DLR)やその他の技術を使ってジョージが動くのを手助けしています。デニソン左右再パターン化(DLR)のいくつかでは代理人の役を演じなくてはなりません。

彼は一つの音(バババ)だけ繰り返せます。言語的には、基本的に幼児レベルで、言語の基本的なパターン全部を再び学び直さなければなりません。彼がわずかこの数週間で見せた進歩は、通常は成し遂げるのに数カ月あるいは数年かかります。言語療法士は私たちが見ている奇跡に毎日涙しています。

ジョージは利き手でない左手で、自分の名前や簡単な単語(イエス、ノー、痛み、ネコ、イヌ)を書く練習をしているところです。(彼は右利きで、発作は彼の右半身全体に影響を及ぼしました。)もし左手で書けるようにできれば、彼は妻や他の人と意味のある方法でコミュニケートできます。始めに彼ができたのは、単語をなぞるかまたは走り書きのような筆跡で写すことでした。書く目的を理解していなかったので、彼はただ私たちのためにいたずらしているのでした。彼にとっては運動技能に過ぎなかったのです。

現在、彼は単語を写せます。そして2回目には口頭の指示で書くことができます。今は書くことによって意味ある方法でコミュニケートしようと試みています。

言語と手書きが向上しただけでなく、彼の半身は放置状態でなくなって命令に従えるようになり、前より歩けるようになりました。元々は二人がかりで助けがたくさん必要だったのが、今はバランスを失ったときに備えて横に誰かが歩いてくれればいいようになりました。私たちは1年分相当の進歩を約6週間で何とか成し遂げました。

いまや治療スタッフはブレインジムのプラグラムと、プログラムが持つ最も重症な患者たちへの潜在力に興味を持っています。」

2010年会議マニュアルの注文:
2010年ブレインジム年次会議の出席者による情報の宝を享受しましょう!1部30ドルです。
email: info@braingym.org


※記事の全容を英文でお読みになりたい方は下記へアクセスして下さい。
http://braingym.org/brochures/newsletter/July_2010.html
以 上


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