教育キネシオロジーとブレインジム:その沿革
今や世界80カ国に伝わる教育キネシオロジーの礎を築いたのは、アメリカの教育学博士ポール・デニソン氏です。読むのが苦手で他の子供達と同じペースで学ぶことができなかったという自身の苦い体験から、大学で教育学を専攻した博士が、特に読み書きに困難を抱える人たちを支援するための学習センターをカリフォルニアで最初に開設したのが1969年のことでした。
どんな分野においても身体的技能が学びに深く関わってくることを理解していた博士は、一貫して身体の動き、言葉の習得、学業の成果における相互依存の関係をテーマに研究してきました。1975年にはその傑出した研究調査が認められ「フィ・デルタ・カッパ賞」を受賞し教育学博士となりました。その後も教育、心理学、動作や発達の研究など様々な分野における研究成果を統合し、20年以上の歳月をかけて形となったのが、今日教育キネシオロジーと呼ばれる自己教育システムです。
1987年に米国カリフォルニア州ベントューラに、非営利の教育キネシオロジー財団(現在の世界本部)が設立され、それを契機に世界中へ教育キネシオロジーの考え方とブレインジムなどのプログラムが広められてゆきました。
教育キネシオロジー: 「動き」は「学び」への扉
生きるとは動くことであり、動くことから学びがはじまります。学習障害という言葉は、私達教育キネシオロジーを学ぶものには存在しません。なぜなら学びを阻むものがそこには存在するだけだからです。
教育とは「引き出す」あるいは「導き出す」という意味です。その言葉の根底には、誰もが生まれながらにして学ぶべき知恵をからだに宿しているという意味合があります。一方キネシオロジーは動きの研究です。
教育キネシオロジーはこの教育の精神に基づき、誰もが独自の課題と可能性を秘めた、この世に類いまれなユニークな存在として自分自身を尊重し、あるがままの自分を知り受け入れることをめざしています。本来学びとは非常に個人的なものです。それぞれのいるところから、自分のペースで安全に心地よく学んでいくことに開いていれば、本来的な自分の価値に触れることになり、学ぶことへの満足感を得られます。
教育キネシオロジーの各プログラムは、人の発達段階に根ざした自然な動きと「気づき」をツールとして、心身機能の調和と統合を図り、個人のもてる力を楽に十全に引き出すプロセスを提供します。ブレインジム101は教育キネシオロジーの基礎講座であり、その神髄を体験して学べるコースです。